介護事業に限らずだが、企業を経営・継続するにあたっては、特に重要な概念がある。
たとえば、パナソニックグループの松下幸之助氏は、企業はモノづくりだけでなく、ヒトも造っていくことの重要性について述べていた。
そして経営基盤を支えるにあたって、人の大切さは言わずもがななのだが、意外と見落とされがちなのが、
経営理念などの概念である。
弊社は、やさしい社会・快適な生活・人間の尊厳といった理念を掲げており、朝礼でも使用している。
ただ、その理念に沿って果たして事業を継続できているかは、疑問だ。やはり人間だから、惰性で業務をこなしてしまいがちになる。
常に経営理念が実行できているか、日々自省せねばならないのだが、忙しくなるとそうも言ってられなくなるのだ。
言葉には魂がこもっており、企業理念には、企業がどうあるべきか、魂のビジョンを反映させねばならない。
いくら売り上げが上げられていても、ここにズレが生じると、いつかは反動が来る。昨今の企業の不祥事も、それを如実に示している。
言ってしまえば、理念はただの言葉かもしれない。
しかしながら、それを行動に移し、願望を実現してきたからこそ、今があるのだ。
何かを成し遂げようと思ったら、言葉に出すこと。笑われても良い。大言壮語なホラでもよい。
また、矛盾するようだが、人によっては、言葉にも出さなくても良い。
理念や大志を抱いた言葉は、心の内に燃焼させても良いと思う。そこらへんは、人それぞれだ。
人間は、生まれつき環境や家柄で不平等かもしれないが、時間や言葉、理念は平等に持つことができる。それは、企業に関しても同じだ。
従業員が理念やビジョンを共有でき、おなじベクトルで自己実現へ向かえば、売上も連動して上がっていく予感ももてるだろう。
資本主義社会は、競争原理が導入され、シビアだ。
だが、理念の泉を枯渇させなければ、うまく乗り切れると期待している。