高齢者や障がい者の方と接すると、御本人が何に重きをおいて、投資しているかがよく分かり、勉強になる。
一口に投資といっても、有価証券や不動産、仮想通貨などの金融関係ではない。人生や生活においては
金銭だけでなく、時間や熱意を投資するべきことは山ほどある。
投資とは、受け身ではなく、自らの意志をもっておこなうものである。リターンを期待することが多いが、それがすべてではない。投資という行為を行うこと、そのものに意味があるのだ。
たとえば、人形を集めるのに投資している人がいる。端からみたら、ただの趣味的活動のように、思える。
ただ、本人からしてみたら、それはその人自身を表現するかの如く、大切な投資活動に感じ取れるのだ。
物を集めても、リターンはほとんどないかもしれない。通販で販売などのビジネスに転じるなら別だが。自室に飾るだけ、でも、そこに本質がある。
人形などの物そのものにも、愛着があると思われるが、そういった投資活動自体、それをすることが本人の喜び・楽しみとなるだろう。
これらは至極あたりまえの話ではあるのだが、その当たり前を噛み締めることが、現代の忙しさに埋没した生活には、希薄しつつあることかもしれない。
物なんて、来世には持っていけないし、家が散らかるだけ、といった批判もあるだろう。
ただ、本人からしたら、それがすべてなのだ。
趣味という領域を超えたものなのだ。
話は飛躍するが、野球やサッカーは、子供が昼休みに学校でやっていたら、遊びだ。ただ、プロの大人が競技としてやっていたら、スポーツビジネスとして成立する。
視点を変えれば、変わる概念がある。
事実と解釈は、いつも同じではない。
残された人生や、与えられた能力・時間をどう投資していくか、そこには人生のエッセンスが凝縮される。決して斜めから見ることなく、応援していきたい。
応援・支援に投資できるのも、福祉職の醍醐味かもしれない。
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