top of page
検索

介護者のフィジカルメンテナンス

  • human-life9
  • 2024年3月31日
  • 読了時間: 2分

介護の仕事は、肉体労働だと言われる。たしかに、身体に負担のかからない動き方は、巷に溢れてはいるが、慣れないうちは、どうしても力みが加わり、力に頼りがちになってしまう。


腰を痛めるのは職業病のようなものと言われ、爆弾を抱えながら仕事をしている人も多い。ギックリ越しになってしまうと、地獄の苦しみを味わうため、常に腰痛には気をつけねばならない。


力はあるから、と変に自信過剰なのも禁物だ。対応する利用者によって、ふだん使ったことのない筋肉等にも負担がいくことがある。たとえば40キロの利用者でも、完全に脱力し、介護者に委ねた人間の身体は想像以上に重く感じる。


在宅介護となれば、狭い空間での介護もありうる。

あらゆるシチュエーションが存在するため、完全に身体を守るのは難しいかもしれない。


幸い、各介護方法のやり方も発展し、たとえばスライディングシートなど福祉用具を使った介護も浸透してきた。


介護ロボット導入の話もあるが、すべての施設や家庭に導入は難しい。人力が介入する以上は、フィジカルのメンテナンス論は、つねに念頭に置かねばならない。


「人に優しく、自分に厳しく」とよく言うが、でも介護では「自分にも優しく」と言ってよいのではないか。


格好つける必要も奇をてらう必要もない。楽をして、誰もを幸せにできないものか。


身体も心も硬かったら、誰も幸せにならない。


本質的なフィジカルメンテナンスの根源にあるのは、こうした力を抜いてよいという、優しく余裕あるメンタルの理念かもしれない。


 
 

最新記事

カスハラ、ペイハラ

医療福祉に限らずだが、サービス利用者から提供者へのハラスメント行為がよくメディアで報じられるようになった。 客からは、カスタマーハラスメント、患者からはペイシェントハラスメントとも言うらしい。 こういった行為は、昔からあって、テクノロジーが発達した現代までは、実際起きていて...

 
 
防災の意識

毎年、3月が到来すると、震災の記憶から防災意識が高まる人は多いと思う。 まさかこのタイミングで来るとは、といったことも、今後、十分起こり得ることだろう。 昨今では、まさか元旦から石川県で地震が来るとは思いにくかったものだ。...

 
 
介護事業での生き金とは

「悪貨は良貨を駆逐する」 とは、ひとつの皮肉であり教育だと、しみじみ感じる。 オレオレ詐欺などで、高齢者をだましても百万円。 介護事業で、高齢者を喜ばせても百万円。 どちらも、同じ貨幣価値なわけだ。 周りの人間から見ても、その札束が、どのようにして生み出されたのかは、わから...

 
 
bottom of page