介護職は、人材難だと言われて久しい。
かなり前から、いわゆる3K(キツイ・キタナイ・キケン)に加え、「給料やすい」が加わり、
4Kとも言われるようになっていると聞く。
職業に貴賎なしとはいうが、将来のキャリアパス・キャリアラダーを鑑みて、介護職は先行きが見えず敬遠されがちとも聞く。しかも、一旦入職しても、長く定着できず、離職率も高いらしい。
ただ、これら言われていることは、新聞やネット、テレビなどメディアが流布した情報なのである。
あからさまな数値やグラフなど、統計を提示して、もっともらしく、現状の人材不足を喧伝する。
数値や統計は、魔力である。説得力が妙にあるため、それがすべてだと信じやすい。
物事の本質は、もっと深い部分に顕在している。
人材の力、文字通りのマンパワーは、どこから来るのか。
かねてから、人間の歩んできた歴史が示すように、
人間の持つ、直感的・感情的な原動力にほかならないと考える。
普通に、高齢者や障がい者のケアをしたい、という純然とした志が大切で、まずそれがあれば充分だ。
とりあえず、やってみること。
やったら、つづけてみること。
できないから、やらないではいけない。
将来にメリットがなさそうだからやらないのも、
いけない。
技術や経験は、あとからついてくる。
将来がどうなるかは、誰もわからない。
未来永劫、安定が保障されている職業・業界もない。
人材が、人財となりうるターニングポイントとしては、まず自分で自分の感情に、素直になってみよう。
論理や統計・数値で構築された現代のシステムを、あえて自分だけの感情・視点でみてみよう。
本質を見抜く目を養えば、将来への不安という荒波にも負けない。自分の人生は一回しかなく、自分だけが、人生という大海を冒険する権利を持っているのだ。
福祉職は、究極の対人職とも言える。無事、荒波を乗り気った先には、新しい喜びと、誰からも求められる人財に変貌できているかもしれない。