カスハラ、ペイハラ
- human-life9
- 5月11日
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医療福祉に限らずだが、サービス利用者から提供者へのハラスメント行為がよくメディアで報じられるようになった。
客からは、カスタマーハラスメント、患者からはペイシェントハラスメントとも言うらしい。
こういった行為は、昔からあって、テクノロジーが発達した現代までは、実際起きていても表には出てこないことが多かった。
サービス提供者側も、我慢している部分が多かったのではないか。「お客様は神様」とかいうフレーズが独り歩きしてしまい、何となく暗黙の了解で、ひたすら忍んで流してしまっていた部分もあるだろう。
ただ、これには賛否両論あって、おもてなしや謙譲の美徳を良しとされる日本人にとっては、これが普通で、客には頭を下げることが基本のようは雰囲気があった。
そうした雰囲気や丁寧な礼節に、来日した外国人は、舌を巻くらしい。ここまで丁寧な接客は、見たことがないと。
世界に誇れる、質の高い接遇を示してきたことも事実だ。しかし最近は、客に土下座を強要されたりということも報じられ、毅然と対応するようにはなってきている。
一方で、医療福祉においては、客とはサービス利用者であり、様々な疾患を抱えている事実がある。
病気が、自身のモラルや本能を超えてしまい、やむなくケア担当者を攻撃してしまうこともある。それが本人の罪であるのか、
誠に判断が難しいケースも多々ある。
人と関わる以上、調和のとれた関係が望まれるのだが、なかなかそうはいかない。
暴言や理不尽な態度を受けても、その人自身の置かれた背景を、よく配慮してケアに臨むこと。
なぜ、その人は攻撃してくるのか。何か悩みがあるのではないか。その悩みの裏には、どういった事実があるのか。その事実を把握し、今、できることは何があるのか。
これは、防御的な忍耐ではなく、「ケアのための積極的な関わり」ともいえるのではないだろうか。
そのことを追求していけば、いつしかハラスメントという言葉を、ハーモニー(調和)に変えることも、支援者次第で出来るかもしれない。